「森のランプ」は大菩薩で山小屋「丸川荘」を営む只木貞吉さんとの共同制作で誕生しました。二人の出会いは20年ほど前、当時おいしいコーヒーを探していた只木さんが、登山を趣味にする私の店を訪ねたのが始まりでした。以来二人の共通点である山を接点にして長く親交を深めてきました。5月の連休に丸川荘を訪ねた時です。今回の大震災で只木さんの郷里である宮城県の被害は甚大で、心を痛めながらも復興支援に尽力する姿に感銘を受けた私の提案で「森のランプ」製作がスタートしました。二人の特技、趣味を活かした木彫りとステンドグラスを組み合わせた「森のランプ」は発光部に色が変化するLEDを使用して、今までに無い独創的なランプ作りに取り組んでいます。そして、「丸川荘」と「煎豆屋」で販売(3500円)して売り上げの全額を義援金とする事に決めました。平成19年に森の名工に選ばれた只木さんの卓越した技術で加工されたケヤキや肥松のランプベースは木材が持つ優しい温もりが感じられます。私が担当するランプシェードはウロボロス社(アメリカ製)のガラスを使い、豊かな色合いが大菩薩の自然を表現しています。ただ、すべてが手作業で製作には大変な手間が掛かります。僅かな台数しか作れませんが自分達に出来ることで少しでも被災地の人々を応援したい、そんな想いを込めて製作しています。「森のランプ」の灯りが皆様の心にやすらぎや豊かさを与えてくれる事を願っています。