基本を大切に「甲斐百山」

2020/11/15(日)

やっと山梨百名山に終りが見えて来た今年2月、Y君から「甲斐百山」をプレゼントされた。読むとなかなか面白く、見た事も聞いた事もない山ばかり。登った山を数えると23座しかない。挑戦心をくすぐられ、新たな百の頂を目指すことになった。今日は、この仕掛け人のY君と須玉町の五里山(1740m)を登ってみた。登山口は9月に瑞牆から帰りに確認してある。コースは山と高原地図に道がないので、国土地理院の2万5千分の1地形図を持参する。後は本の解説と要所に付けられた赤テープを頼りに行けば簡単だろうと高をくくっていた。それが登りだして直ぐに覆された。この時期ならではの落葉が、踏み跡を埋めている。そもそも踏み後自体が有るのか無いのかも定かでない。それでも何とか一つ目のピーク向山(1673m)まで登る。痛恨の失敗はこの後だった。東に下る所を90度も見当違いの北尾根を下ってしまう。下山前に方位の確認を怠った極めて初歩的なミスだった。引き返すべきか思案しながら、東の尾根に向けトラバースを続ける。その時、ほんの一瞬だった。200mほど離れた思索峠の赤テープが風に吹かれ揺れた。「ここだよ~」と呼んでくれている。結果、登りの2倍の時間を費やして峠に戻った。今日は高気圧圏内で無風の穏やかな天気、峠の赤テープは静かに佇んでいた。思索峠0835⇒向山0900⇒思索峠1000⇒尾根に乗る1035⇒西峰1055⇒東峰1135(あるく岩?)東峰1220⇒西峰1240(五里山?)⇒薙山1345⇒堰堤1510 どのピークも一級の展望台だった。その一つ薙山から鷹見岩、右に大日岩(写真)
金山沢07:35~東 峰11:35 4+00
東 峰12:20~金山沢15:20 3+00     TX

第38回ふるさとの山に登ろう

2020/11/08(日)

ハイキングクラブ発足から早くも8年が経過した。歳月は誰にも等しく巡り来て、自身を含めメンバーは高齢化へと歩んでいる。こうなると全員を対象にした山行計画の立案に悩むのは必然で、今回もリーダーS氏の助言と献身的な協力により、無事に活動を終えることが出来た。予報以上の降雨は明け方に上がり濃霧注意報の中、マイカーとタクシーに便乗したメンバー13名が登山口の旧要害温泉に集結した。計画は全員で要害山から深草観音を目指す。ここで2グループに別れ、下山組5名はS氏の引率で少し戻って、武田の杜遊歩道を帰る。縦走組は7名で岩堂峠を経て大蔵経寺山から石和へと総距離10kmを歩く。雨上がりの紅葉の道、早朝の僅かな時間帯だけ霧が幻想的な景色を見せる。雲海に沈む甲府盆地の上に南アルプスを見て、まるで高山を登っている気分でテンションも上がる。ほぼ予定通りに到着した深草観音は想像以上のスケールで、甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根を思わせる荘厳な雰囲気が漂う。長い鉄製のハシゴ(Oさん撮影)を順番に登り、最上部の岩穴に祀られた観音菩薩に参拝する。岩堂峠までは北向きの濡れた石の路面だったが、峠を境に南に向くと乾いた土の路面になり、心地よい雑木林の稜線歩きになる。西側が少し開けた所に大きな倒木があり、7人ゆったり腰掛けてランチと、Kさんのオカリナで合唱、秋のロングトレイルを満喫した。
要害温泉08:00~大蔵経寺16:00 6+00(行動時間)  TX

C山岳部ホームの道

2020/11/01(日)

C山岳部では夜叉神からの鳳凰三山をホームグラウンドとしていた。甲府から最短の南アルプスであり、難易度の低い入門コースとして毎年の新入部員合宿が恒例行事だった。小屋泊の時は薬師小屋が、テン泊の時は南御室小屋が定番で、翌日にサブザックで地蔵ヶ岳までピストンして夜叉神に帰る一泊二日の山行を何度も経験した。後に自身が部長を務めるようになった頃に、ナイロン製(まだゴアテックスは無かった)のドームテントが発売された。小屋利用でも素泊まり自炊が基本だったが、少しでも参加者の負担を軽くするため、会社が購入してくれるテントの導入に迷いは無かった。だが、その分キスリングの重量は増した。テントだけなら大差は無いが、小屋では自重していた酒がテントなら許される気がして、これも当時は画期的だった紙パックの日本酒が重量オーバーに拍車をかけた。若かったから出来たが、今にして思えば未経験の新人に10kg超の荷物は残酷だった。だからリーダーは縦走路を最短で歩き、南御室を目前にした苺平から北方へ20分足らずの辻山(2585m)への寄り道は一度もなかった。今日はこの登り残した辻山だけを目的に、C山岳部ホームの道を歩いた。今も訪れる人は少ない三角点のピークから30m大絶景の展望台にて、今年は入山禁止となった間ノ岳・北岳(写真)冷たい風が堪らずダウンを着て過すと、登山の基本に厳しかったC山岳部の大先輩Hさんの句「秋の雪 北岳たかく なりにけり」を思い出した。
夜叉神の森07:05~辻山展望台10:45 3+40
辻山展望台11:45~夜叉神の森14:10 2+25    TX