9/21小太郎山を振り返って

2017/12/31(日)

始発の乗合タクシーを降りて広河原の吊り橋をこの朝一番で渡った。若い頃に何度も通った大樺沢ルートを正面にバットレスを見ながら進む。二俣から右俣コースの急登で一度だけ足が攣ったが、4時間で草すべり下降点まで登って来た。小太郎分岐で北岳に背を向けて北岳の北尾根が野呂川に切れ落ちる所に目指す小太郎山を捕えた(写真中央)。快晴、南アルプス北部の名峰たちの迫力が凄まじい。ここから初コース、第一印象は「簡単そうだな」無意識に芽生えた過信か、いきなりのルートミス(帰りに気が付いた)ザラザラの急斜面を強引に下り肝を冷やす。不明瞭なルート、岩稜のアップダウン、ハイマツに閉ざされた道、何度も振り返って帰りの道を覚えながら慎重に進むのだから思いのほか時間が掛かる。前小太郎の登りで40代男性単独行が下って来て言葉を交わす。日帰りが微妙なタイムで弱気になっている自分を励ましてくれた。やっと着いた山頂は想像していたより狭く、周囲をハイマツの海に囲まれ野呂川を隔てた仙丈が大きい。時間を忘れて景色に見入っていると20代前半の男性単独行が登って来て写真を撮ってもらう。最悪下山時刻に設定した12時を15分過ぎているから昼食を摂る時間は無い。直ぐに下山(帰りは標高差215mの登り)アップダウンの連続、最短ルートを意識しすぎて2回のルートミス、元に戻る間に山頂で出会った青年が声を掛けてくる。今日この尾根を歩いたのは自分を含めて単独行の3人だけのようだ。出会った二人の言葉がとても親切で嬉しく心に残った。何とか目標タイムで分岐に戻ることが出来たが、この静かな尾根を時間に余裕を持って再び歩いてみたい。