降り出す前に

2021/09/26(日)

皮肉なことに平日は晴れて、日曜に天気が冴えないパターンが続いている。今日も9時から降り出す予報が出て、予定していた八ヶ岳は中止した。2週続きでハードな登山をやったので今日くらい休みでも良かったが、来月にもっとハードな山行の計画があるので、脚力をキープする週一のトレーニングは欠かせない。折りたたみ傘と水500ccだけ持って、何時ものコースを白山まで往復した。歩き出しは富士山も見えていたが次第に雲が厚くなる。八王子山の手前に甲府盆地の西部方面を見渡す展望台があり、甲斐駒と鳳凰三山(写真)が見えた。僅かな時間だが白山に着く頃には甲斐駒も雲に隠れ、緑ヶ丘の駐車場に戻ると同時に雨が降り出した。
緑ヶ丘07:45~白 山08:45 1+00
白 山08:55~緑ヶ丘09:45 0+50 FT

山梨百名山と山小屋 Ⅱ

2021/09/20(月)

晴れていれば大絶景が展開する天空のピークも残念ながら乳白色の世界だ。石川県から来て日本百名山70座代を踏破している単独行の女性と写真を撮りあい会話を楽しむ。農鳥小屋に泊まる彼女を見送った後も少し粘ったが展望は無く、諦め来た道を帰る。13:57大門沢下降点まで戻って来ると視界が開けて(写真)正面に広河内岳(2895m)が見える。往復70分の距離だけど、ここから登山口までの下山タイム5時間を加算したら完全に日が暮れる。夜道をヘッドランプで下る難しさは過去に何度か経験して怖い思いもしている。特に今日は東に向いた沢コースだから暗くなるのも早い。心理的な焦りから転倒など事故を誘発することもある。そんな意味でもコース上にある山小屋の存在は有り難い。山の基本ルールに照らせば15時が行動のリミットだから、この時間に稜線に居ることは不謹慎と言える。16:25大門沢小屋、今日は久し振りに小屋に泊る。小屋のお兄さんは電話の時と同じ、愛想よく応対してくれた。夕食も沢水で冷えたビールが最高で箸が進む。宿泊棟はコロナ対策で一人毎に間仕切りされ、天井の圧迫感以外は十分な広さがある。寝具も新調されたダウンのシュラフ。中に持参したインナーシーツを入れてマナーを守る。歴史のある古い小屋だがトイレ棟に向かうと人感センサーで足元にライトが点灯、タイマーで管理している部屋の照明も、携帯は遠く鳴沢村のアンテナで見事に繋がる。今では当たり前かもしれないが近代的な側面も感じた。シャワーがコロナ対策で休止は残念だったが、沢の音を枕にゆっくりと休むことができた。朝食は5時、他の泊り客4人が出発した後で、記念の土産を買って小屋を後にした。昨日は無理して下らなくて良かった。山梨百名山のフィニッシュに山小屋での一夜、忘れ得ぬ思い出ができた。
 
大門沢小屋05:50~奈良田08:25 2+35 TX

山梨百名山と山小屋 Ⅰ

2021/09/19(日)

秋の白根三山縦走を目標にトレーニングに励んできた。それがコロナによる市営山小屋の休業が30日まで延長され計画の変更を余儀なくされる。考える時間は十分にあったのに、山梨百名山の最後に残った農鳥岳に拘った結果、奈良田から大門沢を農鳥岳への標高差2196mを日帰りと、半ば無謀なプランを決行してしまった。ただ、土曜日に最接近した台風14号(温帯低気圧)の影響は考慮した。沢の増水が心配で大門沢小屋に電話すると、若い小屋番は感じ良く親切にアドバイをくれた。降雨は少なく水量も1~2割増し程度だから本流は大丈夫です。問題は小屋の上部と下部に各2ケ所ある支流の横断で、普段は飛び石で渡れるが渡渉になる事があります。この情報通り最初の小古森沢で先行する男女グループが難儀している。激しい流れと濡れた岩を前に誰でも怖いが、飛び石は躊躇なくリズムで渡るといい。それにしても沢沿いで涼しいはずが、台風の置き土産か蒸し暑く、Tシャツ1枚でも汗が吹き出す。地図から読む標高も1200mに満たないから仕方がない。暑さより気を病んだのがルートの地形で、尾根を高巻いたり河原に下りたり複雑な変化を繰り返す。昼中は随所にある赤テープが進路を示してくれるが、帰り途中で日没ならヘッドランプで下るのは御免だ。大門沢小屋8:40やっと半道中か、まだまだ先は長い急登が続く。やがて本流の源頭部まで上がった頃、ガスが湧き視界がなくなる。台風一過の乾いた青空を期待して来たが裏切られた感じだ。代わりにナナカマドの赤い実に高山の秋を感じる。12:20下降点の鐘を鳴らして先を急ぐ。13:05農鳥岳(3026m)に立つと一瞬だけ雲が切れて西農鳥が見えた。山梨百名山100本目の標柱(写真)は厳しい自然に朽ち掛けながらも凛として建っていた。
奈良田05:45~農鳥岳13:05 7+20
農鳥岳13:25~大門沢小屋16:25 3+00

富士山測候所

2021/09/12(日)

20代の頃は新田次郎の山岳小説を夢中になって読んでいた。彼は気象庁勤務の経験から気象観測を題材にした記録文学を得意とし、「芙蓉の人」に代表される富士山頂を舞台にした作品も多い。最近その幾つかを読み返して、富士山に登ってみたいと思った。今年は平年より25日早く、7日に初冠雪が観測された富士山の最高点(剣ヶ峰)に建つ富士山測候所が今どんな姿か見てみたいと思った。今回は何度も登った吉田口でなく、初めての富士宮口から山頂へ、時計回りにお鉢巡りの後、御殿場口を下り、宝永山経由で富士宮口に戻る計画を立てる。10日でシーズン終了だから何らかの規制は覚悟していたが、何事もなく拍子抜けのスタートになる。登りのコースタイムは約6時間、途中の小屋はすべて閉鎖なので水は3L背負う。週一のトレーニングで体力に不安はないが、問題は天気だ。東シナ海を北上する台風14号の影響が、遥か離れた富士山に有ることを新田次郎から学んでいる。心配した通り、八号目あたりから風雨に平均10m、瞬間20m超と嵐の様相になる。寒さと濡れ対策を怠ると低体温症の恐れがある。早目に小屋の陰でカッパとネックウォーマーを着け、行動食を摂る。山頂に雪は無かったが、風は一段と強く、危険を感じてお鉢巡りは断念した。富士山測候所(3776m)は下界と隔絶された極限の地で原型を留め現存していた。写真はレーダードームの基部で、まだ気象衛星が無かった時代に台風の観測に画期的な活躍を遂げた。
五合目06:20~剣ヶ峰11:10 4+50(富士宮コース)
剣ヶ峰11:30~五合目15:30 4+00(御殿場コース~宝永山)SC

クールダウン

2021/09/05(日)

9月に入った途端に気温は急降下、秋雨前線の停滞で天気も冴えない。先週は20kmのロングを歩いた割に、筋肉痛が出なくて気を良くしたが、全身の疲れが金曜日まで残ったのはショックだった。本番まで残り僅かに迫り貴重な休日なのに、今日も午後から降水確率が高く山は諦める。パラのテレビ観戦で休養日でも良かったが、女子マラソンの道下選手が期待通り金メダルを獲得する走りを見てスイッチが入った。何時もの里山でトレーニングだ。ただ、今日はタイムを意識せず、疲れた体をケアするクールダウンを目的とした。それ以前に連日の雨と、昨夜も雷雨があったから路面には水溜まりも有り走る気にならない。登山の基本の小さいストライドでゆっくり歩き、白山(612m)までジャスト1時間。山頂から眼下に満水で溢れそうな千代田湖と、彼方に南アルプス方面を望む。夏と秋の雲がせめぎ合いを見せる空も美しい。
緑ヶ丘10:30~白 山11:30 1+00
白 山11:40~緑ヶ丘12:30 0+50 FT