さーいくぞー北岳

2019/09/26(木)

笹山に向けて続けてきた湯村山でのトレーニング。その仕上げに予定していた北岳(9/5)は停滞前線によって流された。順番は逆になってもハードな練習の成果を測る意味で、スケールの大きな山に登ってみたかった。とは言え相手は北岳(標準タイム約10時間)日帰りの場合は、心理的に重いプレッシャーを連れて歩くことになる。終バス(16時40分)までに下山できるかだ。だから4時から芦安で乗合タクシーを待ち、6時には一番で広河原の吊り橋を渡った。コースはバットレスの眺めが良い大樺沢から八本歯のコルを登り、下山は肩の小屋から草すべり御池小屋と時計回りに周回する。天気は文句なしの快晴で乾いた秋の空気は冷たく、寒さから自然と早歩きになる。1時間登った頃、北岳が朝日を受けて美しく輝く。朝食のサンドイッチが美味い。気分も体調もベストだし、笹山から使い始めた新しい靴もすっかり馴染み快調に歩を進める。二俣からは斜度が増し、右手のバットレスは凄まじい迫力で迫る。10:20八本歯のコル、西には北岳山荘を経由して間ノから農鳥と続く縦走路が延びる。3193mの山頂まで後30分だ。最後は元気に北岳に登れる喜びを噛み締めながら、満ち足りた気持でピークを踏んだ。新しくなった山梨百名山の標柱と南アルプスの女王と呼ばれる仙丈ヶ岳(写真)を望む。脚力アップで大腿筋を鍛えた事で、下りでの膝の不安も無くなり、終バス1時間半前に広河原に下り立った。
広河原05:55~北 岳10:55 5+00(大樺沢~八本歯のコル)
北 岳11:25~広河原15:15 3+50(肩の小屋~草すべり) TX 

悲願の笹山を攻略 Ⅱ

2019/09/15(日)

ラスト1ピッチ。森の木々を透かして見る青空の面積は次第に大きくなり、はやる心は山頂に飛んでいる。対して肝心の体の方は2560m峰まで多くの倒木を越え、消耗して悲鳴を上げている。目測では後30分位に見えた山頂が何故か遠い。あと少し、あと少し、自分に言い聞かせて頑張っていたら、突然ハイマツをかき分けて、中央に真新しい山梨百名山の標柱が立つ広場に出た。南峰との対比が面白い、最高点の北峰は岩稜のピークで、直ぐにトレランの青年が上がって来て写真を撮りあう。日差しは強いが風は心地よく、昼食と絶景を堪能し70分も休憩した。何時までものんびり過したい思いを振り切って靴紐を締め直す。計画書は15時下山で提出してある。さて帰ろう。後は来た道を忠実に戻るだけだが、疲れと気の緩みで下山中の事故が圧倒的に多い。2年前には千葉県の夫婦が、先月には富山県の男性が笹山から下山中に不慮の事故で亡くなっている。特にガレ場付近が要注意で、他は赤テープを慎重に追って下れば良い。有難いのは路面が余り踏まれていないため軟らかく膝に優しい。1900m付近で嫌な予感がして、普段は使わない熊鈴を出した直後にガサガサと大型獣の音が、見ると50mほど右下方を体長1m位の黒光りの毛並みが猛スピードで逃げて行く。笹山南峰(2718m)に別れを告げる前に、長年愛用のリュックを写す(写真)正面には北岳が尖って見える。
笹山北峰11:50~奈良田湖14:55 3+05 TX

悲願の笹山を攻略 Ⅰ

2019/09/15(日)

3年越しの笹山ダイレクトルート攻略を目指し、靴も履き潰すほど真剣にトレーニングに励んできた。9月に入ってからは停滞前線と台風の影響で、本番が近づいても納得できる練習が出来なかった。コロコロ変わる週間予報にも翻弄された。それが願いが通じたように前日17時の予報で午後の傘マークが取れ、決戦の日を迎えた。今までの練習の成果が問われる標高差1900mの激登りは、快晴の大展望ですべてが報われた。満月の夜が明けた5時半、奈良田湖の長い吊り橋を渡り発電所の脇から登山口に向かう。先月には水場を確認してあるが、気温が高めの予報なのでリュックには500ccを6本と予備300ccを入れてある。道は部分的に不明瞭な所も有るが、赤テープが誘導してくれて落ち着いて登りに専念できた。また要所にある標識には標高が記され、地図と照らして容易に場所の確認ができる。2100m付近でテン泊して下ってきた6人グループと言葉を交わす。程なくして右手にガレ場が現れ、その北方に鋭く尖った北岳が青空に映える。テント場の焚火跡を過ぎるとコメツガやシラビソの森に変わり、南アルプスらしい雰囲気が漂う。しばらく傾斜が緩み一息つける。ラスト1ピッチ頑張ろう!笹山北峰(2733m)からは360度の大展望が広がる(写真)中央には日本百名山の塩見岳が鎮座する。
奈良田湖05:30~笹山北峰10:40 5+10

今日もトレーニング

2019/09/01(日)

3000m峰に登りたくて晴天を願う日々も、列島には前線が停滞して湿った曇り空が続く。9月に入った今日も曇りベースだが、今年メイン目標の笹山が二週間後に迫り、体力キープのトレーニングは休めない。毎週の湯村山はスズメ蜂の影響で白山の東屋から先が立入禁止になり、ネットの情報ではまだ開通していない。今日は茅ヶ岳と双耳峰を成す金ヶ岳(1764m)に登ってみよう。コースタイムが3+20なので目標を70%の2+20に設定する。ラジオ体操の時間にはクリアーに見えていた茅ヶ岳が、登山口に車を走らせる頃には雲の中に隠れてしまった。登山口の深田久弥公園まで車で15分、予想に反して先客は5台と少ない。直ぐにスタートするが、途中でカメラを忘れた事に気付き戻る。最近こんな事が増えて来て情けない。20分ほどのロスタイムはリセットして再スタートする。道は前回6月に比べ草が茂り、女岩から先のブナ林は泥んこで滑る。休まずに90分で誰も居ない山頂に着く。塩羊羹と給水300ccだけの小休止で先を急ぐ。鞍部まで急降下して石門を潜ると空気が変り、冷たい風が有り難い。夏の花も残っていてペースが上がる。観音峠への下りで道迷いした苦い思い出がある南峰の分岐を過ぎると金ヶ岳は近い。山頂には単独の男性が休憩中で、にこやかに挨拶を交わす。金ヶ岳から中央に茅ヶ岳、左に南峰(写真)が時々ガスが切れて見えた。
深田公園08:30~金 ヶ 岳10:50 2+20
金 ヶ 岳11:10~深田公園13:05 1+55 FT